中学1年生のときは、英語が得意だった。むしろ好きな科目だったかもしれない。
それなのに、中2、中3になって、急に点が取れなくなった。本人はサボっているわけではない。テスト前にはちゃんと勉強している。なのに、英語だけ、やってもやっても伸びない。そのうち本人が「英語は嫌い」「どうせやっても無理」と言い出す——。
もしお子さんがこの状態なら、原因は「中2・中3の今」ではなく、中1のどこかにある可能性が高いです。そして、それは本人の能力や、やる気の問題ではありません。
目次
九九にたとえると、よく分かります
英語の本当の問題は、算数の九九にたとえると、とても分かりやすくなります。
たとえば、九九を覚えるとき、7の段までは完璧に言えるのに、8の段と9の段が中途半端なまま、先に進んでしまった子がいるとします。
最初のうちは、それでも大きな問題は起きません。簡単な計算なら、7の段までで何とかなるからです。
でも、学年が上がって、掛け算がだんだん複雑になってくると、どうなるでしょうか。8と9を使う場面が増え、間違いが少しずつ増えていきます。
ここが、いちばん大事なところです。本人は、「自分は8と9の段ができていないから間違えている」とは気づけないのです。どこでつまずいているのか分からないまま、「なんだか最近、計算を間違える」という感覚だけが残る。
英語も、まったく同じことが起きています。

英語は「積み上げ」の科目です
英語は、下の段の上に、次の段を積んでいく科目です。be動詞、一般動詞、三単現、時制、文型……これらは、前の単元が分かっていることを前提に、次の単元が積まれていきます。
中1の英語は、内容がやさしいので、仕組みを完全に理解していなくても、英文をまるごと暗記すれば、テストで点が取れてしまいます。ここに落とし穴があります。
本来は、一つひとつの文法を100%理解してから次へ進むべきでした。けれど、中途半端な理解のまま、暗記でしのいで先に進んでしまう。最初はそれで点が取れるので、本人も周りも、つまずきに気づきません。
ところが、中2・中3になると、覚えるべきことが増え、文の構造も複雑になります。暗記だけでは追いつかなくなる。すると、間違いが増えてくる。
でも、本人は気づけません。本当は中1の「8と9の段」ができていないから間違えているのに、それが分からない。どこができていないのか自分では見つけられないまま、また暗記でしのごうとする。そして、さらに間違いが増えていく——。
なぜ、自力でも塾でも直らないのか
ここまで来ると、本人の努力だけでは抜け出せません。理由は二つあります。
ひとつは、前に戻れないこと。中1の単元は、今のテスト範囲ではありません。目の前のテストに追われている子が、自分から中1まで戻って復習する、というのは現実には難しい。
もうひとつは、多くの塾が、学校の進度に合わせて進むこと。テスト範囲を教えるのが中心なので、「実は中1のここでつまずいている」と分かっても、そこまで戻って教え直す時間を取りにくい。
結果、崩れた土台を抱えたまま、先へ先へと進み続けることになります。そして最後に、英語そのものが嫌いになる。「自分は英語ができない人間だ」と思い込んでしまう。
これは、本人のせいではありません。どこで止まっているかを、誰も見つけてあげなかっただけなのです。
必要なのは、もっと勉強させることではありません
このパターンのお子さんに必要なのは、もっと長時間勉強させることでも、「やる気を出せ」と叱ることでもありません。
必要なのは、どこの段で止まっているのかを見つけて、そこまで戻って、もう一度きちんと積み直すことです。
坪井英語塾がやっているのは、まさにこの作業です。お子さんが実際に英文を読んだり、訳したり、書いたりするようすを見て、「単語の問題なのか」「文法のどの単元で止まっているのか」「そもそも読み方の問題なのか」を一つひとつ切り分けます。そして、つまずいている段まで戻って、丸暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という仕組みから組み立て直します。
土台さえ直れば、英語は積み上げの科目ですから、その上は楽に伸びていきます。「英語が嫌い」だった子が、「英語は分かればおもしろい」に変わることも珍しくありません。

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